浅野氏入城400年記念事業 平成30年度歴史講座「江戸時代の広島~浅野家と広島藩~」前期第4回「近世広島のやきもの『江波燒』」を平成30年9月22日(土)に開催しました。
その概要をご紹介します。
第4回「近世広島のやきもの『江波燒』」
講師:元呉市立美術館長、元広島県立美術館学芸課長 倉橋 清方さん
広島市中区江波二本松にある、江波皿山という小高い丘の東南麓には、江戸時代の終わりごろ、焼き物の窯がありました。しかし昭和のはじめ、皿山の南面付近が埋め立て用土として大きく開削されたため、そこにあった窯の本体や遺構も完全に姿を消してしまいました。
平成18年(2006年)、江波地区を通過する広島高速3号(広島南道路)の測量が始まると、舟入公民館の中に研究活動グループ設立の機運が高まり、平成21年(2009年)、「まぼろしの江波焼探偵団」が発足しました。探偵団は、建設予定地内の窯跡推定地を中心に探索を行い、陶磁器片や窯道具などの資料を多数採集し、これらの資料や文献を手掛かりに調査研究に取り組みました。その結果、「まぼろし」と呼ばれた江波焼の一端が姿を現すことになりました。
今回は、「まぼろしの江波焼探偵団」の設立当初から活動されている講師から、江波焼について、その実態に迫るお話をしていただきました。
これまでの活動により、江波焼について知られていなかった多くの発見があったが、まだまだ矛盾点や解明されていないことも多く、今後の調査・研究が待たれると結ばれた。
【関連本】