こども図書館職員が中国新聞「子どもたちへ本の招待状」(2024年4月)で紹介した本を対象別にまとめました。
本選びの参考にいかがですか?
『ぼくたちのリアル』
戸森 しるこ 著 佐藤 真紀子 絵(講談社)
小学5年生になり、学年一の人気者リアルと、心優しい転校生サジ、そして同じクラスになった平凡な僕。合唱祭、下校の放送、夏休みのプール講習や林間学校での出来事を通して、3人の関係は深まります。
誰かのために必死になるリアルやサジを見て、僕は友達の気持ちや、自分のいろいろな気持ちに気付きます。人は強く見えても弱い部分がある。それぞれに抱えている問題がある。見えている姿はその人の一部分だということも分かってきます。
春から夏の、揺れ動く僕の心と、少年たちの友情と成長が描かれた物語です。出会いの季節に読んでみませんか。
『緋色の研究』(シャーロック=ホームズ全集 1)
コナン・ドイル 著 各務 三郎 訳(偕成社)
戦争で負傷し、ロンドンで静養中の医学博士ワトソンは、ロンドン警視庁の顧問探偵をしているシャーロック・ホームズに出会います。ワトソンは自身の風貌やしぐさから戦争帰りであることを推理したホームズに興味を持ち、彼と同居することにします。
ある日、警視庁からホームズへ不可解な事件への協力依頼が届きます。ワトソンも現場に同行すると、そこには死因不明の紳士の死体と、壁に「RACHE」と書かれた血文字があり...。
多数のトリックを考案し、後の推理小説に大きな影響を与えたコナン・ドイルが1887年に発表した名探偵ホームズシリーズ最初の作品です。