こども図書館職員が中国新聞「子どもたちへ本の招待状」(2025年8月)で紹介した本です。
本選びの参考にいかがですか?
『ひろしまの満月』
中澤 晶子 作 ささめや ゆき 絵(小峰書店)
誰も住んでいない家の庭にある池で暮らしていたカメのまめ。長い間1人きりだったので自分の名前も忘れかけていたある日、かえでという少女が引っ越してきました。彼女の声を聞いた日の夜、まめは満月を見て、ずっと昔に一緒に暮らした家族との出来事を思い出しました。それは、まめに名前を付けてくれ、楽しく過ごした女の子と家族が、原爆で兄を失う悲しい思い出でした。思い出すと今でも心が破れてしまいそうですが、まめは大事な記憶をかえでに伝えることにします。戦争で大切な人を失う悲しみと、悲惨な記憶を継承する意義を伝える物語です。
『フレンドシップウォー』
アンドリュー・クレメンツ 著 田中 奈津子 訳(講談社)
夏休みに祖父の所有する廃工場を訪れたグレースは、段ボール箱に詰まった大量のボタンを手に入れます。休み明けに学校で披露すると、材質や色、形、大きさもさまざまなボタンにみんな夢中になりました。
そのうち、家から持ち寄ったボタンの交換が小学校中ではやり始めます。ところがある日、とてもきれいなボタンを巡って親友のエリーと争いになり、友情が壊れてしまいました。
悩むグレースは、どうすればこのはやりを終わらせることができるのか考えますが...。はやりと友情の行方がいったいどうなっていくのか、確認してみてください。