
原民喜の作品をいくつかご紹介します。
1.夏の花 2.焔 3.ガリバー旅行記 4.心願の国 5.鎮魂歌 |
6.永遠のみどり 7.苦しく美しき夏 8.秋日記 9.美しき死の岸に 10.三田文学 |

「夏の花・心願の国」
原民喜 著
新潮文庫 1973年刊
凝縮された短い文章で、亡き妻や家族への愛情を叙情的に回想し、同時に死への憧れを綴る。小鳥・踏切・雪などの描写を通して、自分にとって何より自然なのは、静かに別の世界へ行くことだと告げている。
- - - - - -
僕は今しきりに夢みる、真昼の麦畑から飛びたって、青く焦げる大空に舞いのぼる雲雀の姿を・・・。(あれは死んだお前だろうか、それとも僕のイメージだろうか)雲雀は高く高く一直線にただ生命の燃焼がパッと光を放ち、既に生物の限界を脱して、雲雀は一つの流星となっているのだ。(あれは僕ではない。だが、僕の心願の姿にちがいない。一つの生涯がみごとに燃焼し、すべての刹那が美しく充実していたなら・・・。)
※NDLは国立国会図書館が運営するデジタル情報検索サイトです。