調べもの

書評

『部下が勝手に成果を出す!リーダーの口ぐせ』

公開日:2025年03月11日

『部下が勝手に成果を出す!リーダーの口ぐせ』中尾 友和/著  Clover出版 『部下が勝手に成果を出す!リーダーの口ぐせ』中尾 友和/著  Clover出版

月締めの報告を見て、業績の数字が伸び悩んでいると感じているリーダーの方もいらっしゃると思います。チームのメンバーにもっと活躍してもらうために、「口ぐせ」を使ってみてはいかがでしょうか。

本書の特徴の一つは、チームの稼ぐ力を倍増させる口ぐせがダイアリーになっていることです。毎月の締め切りを終えた26日からスタートして、翌月の目標設定やその達成に向けた行動に効果的な口ぐせを一日ごとに紹介しています。

例えば、営業のやり方がわからないと悩んでいるメンバーには「とりあえず、〇〇してみる?」と声をかけることを勧めています。
まず簡単にできることから着手し、最初の易しいプロセスがクリアできたら次のプロセスへ。「そうやればできるんだ」と一歩を踏み出せたら、あとはその都度報告を聞き、伴走してあげればいいと著者は述べています。

こうした口ぐせを使うことで、リーダーの能力を高めようとしているのが、本書のもう一つの特徴です。
「数字で考えてる?」
「どんな条件だったらできた?」
口ぐせを使って、成果を出して稼ぐ力を磨いていきましょう。

『d design travel HIROSHIMA』

公開日:2025年02月13日

『d design travel HIROSHIMA』D&DEPARTMENT PROJECT 『d design travel HIROSHIMA』D&DEPARTMENT PROJECT

この本は、47都道府県のそれぞれの土地に根付く「個性」や「らしさ」を、「デザイン目線」で取材・編集した旅行ガイドブックの34作目にあたる「広島号」です。本の発行者D&DEPARTMENT PROJECTは、「ロングライフデザイン」をテーマに様々な活動をしています。

本の編集にあたっては、地元の人々とワークショップで意見交換し、本に取り上げた場所や人とは発刊後も継続的に交流を持つという覚悟で、取材先を厳選。編集長自らも広島に来て約2カ月暮らし、県内各地に足を運んで現地の人とコミュニケーションを取りながら取材しています。

平和記念公園や厳島神社など観光で訪れるような場所やお好み焼き店・カフェ、ショップ、宿泊施設などの紹介があるほか、ものづくりにもスポットをあてています。一例をあげると、一生ものの家具を楽しめるマルニ木工、長く売れ続けていてデザイン性も高い無水鍋をつくる広島アルミニウム工業、様々なデニム生地を生みだす篠原テキスタイルなどがあり、地元に根付く技術や人を知ることができます。そのほか、エッセイなどもあり、どのページも読み応えがあります。

広島県を誇りに思うとともに、自分の住む場所で何かを始めたい人にヒントを与えてくれる一冊です。

『心理的安全性のつくりかた』

公開日:2025年01月10日

『心理的安全性のつくりかた』石井 遼介/著 日本能率協会マネジメントセンター  『心理的安全性のつくりかた』石井 遼介/著 日本能率協会マネジメントセンター 

皆さんは、同僚や先輩、上司と率直に意見を交わしたり、分からないことを気軽に質問したりできていますか?

本書がテーマとしている「心理的安全性」とは、組織やチーム全体の成果に向けた、率直な意見や素朴な質問、違和感に対する指摘がいつでも誰もが気兼ねなく言えることです。この概念は、1999年にハーバード大学のエイミー・C・エドモンドソン教授が提唱し、2012年にGoogleが立ち上げたプロジェクトの調査・分析において、心理的安全なチームはメンバーの離職率が低く、収益性が高いと結論付けたことから、「心理的安全性」という知見がビジネスの世界に広まりました。

著者は、チームの一人一人が素直に意見を言い質問をしても安全だと感じられる状況をつくることは実は難しいが、効果的な組織やチームを作るためには重要な仕事だと述べています。本書では、その仕事の実践に向け、他者への影響力を持つリーダーシップとしての「心理的柔軟性」と、メンバーの行動を変えるために必要な理論・体系である「行動分析」「言語行動」について詳しく伝えるほか、「心理的安全性導入アイデア集」では読者が率先して行動を変えるために役立つアイデアを紹介しています。

役職や立場に関わらず、所属するチームや組織をより良い方向へ変革したいと考えている方に活用していただきたい本です。

『夢をかなえる失敗学』

公開日:2024年12月10日

『夢をかなえる失敗学』中村 誠/著 KADOKAWA 

失敗したとき、皆さんはどうしていますか?

本書は、LINE公式アカウントの運用プロデュースで成功を収めた著者が、自身の経験から失敗を失敗のまま終わらせずに、リカバリーする方法を説いた本です。

著者は、高校でも、就活でも、就職先でも、その後始めた物販ビジネスでも失敗...。著者曰く、「すべての夢をかなえることができない」人だったそうです。
人生において何をするにも必ず壁に当たってきた著者が、成功できたのはなぜなのか。
それは、ひとつずつ自分なりの解決策や手段を見つけて乗り越えてきたからなのです。失敗を分析することで「失敗をしない戦略」を編み出すことができるから、「失敗はすべて資産」だと著者は伝えます。

「人間関係」で失敗したときや「メンタル」が弱ったときなど、様々な場面での失敗とそれに対するリカバリー術を具体的に挙げており、失敗して何かに救いを求めている人、仕事での失敗を回避したい人におすすめです。
プライベートで先が見えなくなったときなど、仕事以外のことにもヒントをもらえる一冊です。

『実践!オフィスの効率化ファイリング』

公開日:2024年11月10日

『実践!オフィスの効率化ファイリング』長野 ゆか/著 同文舘出版 『実践!オフィスの効率化ファイリング』長野 ゆか/著 同文舘出版

職場の机の上が書類で溢れていませんか? 必要な書類をすぐに取り出すことができますか?

本書はそのような悩みを解決し、業務効率アップにつながる片付けのしくみを、説明文と図を使い、1つの項目について見開き1ページで紹介しています。

机の上には業務に必要な書類が集まってくるため、散らかって当たり前です。書類が片付かない原因としてスペースがないこと、元に戻す場所が決まっていないこと、処分基準がわからないこと、モノ・書類を管理するしくみやルールが職場にないことをあげています。

そこでオフィスでのファイリングシステム運用を前提とした個人ファイリングを提案し、第3章では使いやすくて戻しやすい個別フォルダで書類を挟み込むだけの「バーチカル(垂直式)ファイリング」という方法を詳しく説明しています。

他にもパソコンのファイル管理の方法なども紹介しています。

ファイリングを成功させる秘訣はあえて作業を中途半端に終えることで、毎日のモチベーションを保ち、続ける習慣が身につくようになると言い、作業する時間は1日10分程度と時間を区切って行うことを勧めています。

年末が近付いてきました。新しい年を気持ちよく迎えるために、無理なく身に付く片付けスキルを手に入れて、机の上をスッキリさせてみませんか。

『論語と算盤』

公開日:2024年10月10日

『論語と算盤』渋沢 栄一/著 興陽館 『論語と算盤』渋沢 栄一/著 興陽館

2024年7月3日に新しい紙幣が発行されました。1万円札の肖像画は渋沢栄一です。渋沢はペリー来航(1853年)より前、1840年に現在の埼玉県深谷市の農家に生まれ、やがて幕臣となるも民間へと活躍の場を移し、自らが設立した第一国立銀行の頭取に就任します。生涯で約500もの企業の創設に関わり、約600の社会公共事業・教育機関の支援や民間外交に尽力しました。

本書は渋沢の代表的な著述作の1つである『論語と算盤(そろばん)』を、原文で収録しています。論語は道徳、算盤は商売の象徴で互いに遠い存在のように思いますが、「道徳経済合一」という渋沢の中心的考えを表しています。内容は、講演や談話をまとめたもので、商売や仕事、人間の生き方といった人生全般にわたっています。企業の利益追求が目的ではなく、国を富ませることを大切にし、社会福祉にも力を注いだ渋沢の考えは、現代の企業経営にも通じるのではないでしょうか。

原文で語られる言葉から渋沢の力強さを感じることができますが、当時の言い回しは難解で読みづらい面もあります。そんなときは、編集部が付けた各章のあらすじや小見出しを手掛かりに、気になるところを読むだけでも十分に読みごたえがあります。「日本資本主義の父」とも呼ばれる人物の理念に触れてみませんか。

『浅草かっぱ橋商店街リアル店舗の奇蹟』

公開日:2024年09月10日

『浅草かっぱ橋商店街リアル店舗の奇蹟』飯田 結太/著 プレジデント社 『浅草かっぱ橋商店街リアル店舗の奇蹟』飯田 結太/著 プレジデント社

浅草かっぱ橋といえば、食品サンプルや調理道具など食に関する専門店が並ぶ商店街で有名ですが、本書は、そこに店を構える飯田屋の6代目店主が「大切にし、実践していることを余すところなく紹介」した本です。

飯田屋は、大正元年(1912年)に創業した100年以上の歴史を持つ料理道具専門店です。品揃えの豊富さなどから、これまで多くのメディアに取り上げられています。老舗で話題性もある人気店として順風満帆に感じられますが、一時は廃業の危機に陥っていました。
著者は、大学時代に起業したWeb会社の仕事に励んでいましたが、夜遅くまで懸命に働く母の背中を目にし、「母の助けになりたい」と飯田屋で働くことを決めます。独自の手法で経営改革を始め、失敗を繰り返しながらも経営が徐々に改善していたさなか、半数を超える社員から「辞めたい」との申し出を受けます。
その時の自分を、経営者失格、後継者落第と言う著者が、何に気づき、どう変わっていったのか。

本書には、「蓋をして隠しておきたい過去」や「認めたくない恥ずかしい経験」となっている失敗談もさらけ出し、転機となった出会いのエピソード、感銘を受けた言葉や考え方がふんだんに盛り込まれています。
著者と同じ販売業や経営者としての視点だけではなく、業種の枠を超えて、多くの気づきを与えてくれます。誰のために仕事をするのか、何を大切にして働くのかをあらためて考えるきっかけとなる、そんな1冊です。

『書くのがしんどい』

公開日:2024年08月10日

『書くのがしんどい』竹村 俊助/著 PHP研究所 『書くのがしんどい』竹村 俊助/著 PHP研究所

本書は、編集者である著者が「誰でも書けるようになる」ノウハウを紹介した本です。

著者曰く、文章が書けない原因は「スキル」ではなく、気の持ちよう、つまり「メンタル」。文章を生み出そうという「メンタル」がそもそも間違いで、才能のある作家以外には難しいことだと指摘します。

ゼロから書こうと思わないこと。文章をゼロから生み出すことは難しくても、すでにある文章を修正することはできる。まず何も気にせず伝えたいことを書いてみて、そのあと冷静になって「編集者」の立場で文章を整えていく。自分の文章を自分で編集する、一人で二役できれば文章を書くことがずっと楽になるのだそうです。

また、どう書くかではなく、何を書くかにこだわること。ネタがなければ文章も書けない。そのために、「書く」の前には取材があるといいます。取材といっても、普段見たり聞いたりして気になったことをメモにとどめておくことが、いざ文章を書く時に役立つ。ふと感じたことについて、いちいち立ち止まって考えることも大切だと説きます。細かいことが気になる人や、イライラしがちな人は、それをアウトプットすると立派なネタになると言います。

多くの文例を使って、伝わらない・つまらないと言われない文章にするためのポイントを解説しており、仕事上で書くのがしんどいと思った時、書こうとしてもなかなか言葉が浮かばない時に読むと、ヒントをもらえます。

わかりやすい言葉で、誰に、どんなことを伝えたいか。そんなことを考えながら「書く」という行為を楽しめるようになりたいと思える本です。

『インタビュー大全』

公開日:2024年07月10日

 『インタビュー大全』大塚 明子/著 田畑書店 『インタビュー大全』大塚 明子/著 田畑書店

話す相手が面識のない人、人と話すのは苦手だと思う人などの場合、どうすれば会話を上手く進めていけるのか、と思う人は多いのではないでしょうか。

本書は、30年以上雑誌の仕事に携わってきた著者が、プロのインタビュアーが使っている、相手に能動的に話してもらうための「戦略」をわかりやすく紹介しています。

例えば、話を聞き出す方法の一つとして、人をポジティブに見ることを習慣化し、共感できそうなポイントを探しながら会話をしていくことを挙げています。そうして思ったことを言語化し相手に誤解なく伝えることで親近感が生まれ、良好な関係を維持しながら会話を進めることができると言います。また、テーブルを挟んで90度に座ると互いの距離が50~80cm程度となり、親密な関係を構築するのに程よい距離となるのだそうです。その他、会話の進行や方向性を左右する役割を担っているあいづちの打ち方や、相手の警戒心をときスムーズなコミュニケーションを成り立たせる自己開示についてなど、様々な戦略が紹介されています。

会話の糸口を見つけたい、会話でのコミュニケーションで良好な関係を築きたいと思っている人におすすめの1冊です。

『ニューヨークのクライアントを魅了する「もう一度会いたい」と思わせる会話術』

公開日:2024年06月11日

『ニューヨークのクライアントを魅了する「もう一度会いたい」と思わせる会話術』吉田 恵美/著 新潮社 『ニューヨークのクライアントを魅了する「もう一度会いたい」と思わせる会話術』吉田 恵美/著 新潮社

人がインテリアを変えようと思うのは、人生の節目であることが多いそうです。インテリアデザイナーという職業柄、そうしたタイミングに立ち会うことになる著者は、クライアントの人生を背負っているような思いで仕事をしています。デザインの完成に至る過程では、お互いが「気づいていない自分」を見つめるきっかけとなる時間を共有することで、クライアントの想定外の思いや気づかなかった感情を少しずつ引き出します。クライアントにとって最高の空間を作るためには、コミュニケーションが絶対に必要だと語っています。

ある日、小さなパティオ(壁や柱廊で囲まれた中庭)のデザインの依頼が来ました。インテリアではないのですが、著者は断るのではなく、どのような目的でその空間をデザインしたいのか尋ねます。自分が屋内デザインの専門であることを伝えた上で話を聞いていると、相手が求めているのは日本でいうところのサンルームに近い空間だということが分かり、依頼を引き受けます。とことん話を聞いて仕上げたパティオはクライアントを喜ばせ、さらに大きな仕事をまかせられました。

他にもアンティーク家具の好みが分かれる夫婦からの依頼など、対話することで成功につながった仕事が紹介され、クライアントと良い関係を築くヒントがつまっています。合わせてインテリアデザインの魅力も随所に書かれており、この職業に興味のある方にもお薦めです。